多くの悩みを持つICU看護師について

ICUとは、集中治療室と呼ばれる、命の危機に瀕した患者が入室する救急度のかなり高い病棟のことです。

そこで働く看護師は、患者の状態を常にチェックし、異常を早期に発見したり、手術後のバイタルチェックや身の回りのお世話など、さまざまな仕事をこなします。こうした専門性の高い業務を担うことから、ICUで働く看護師の方のことをミニドクターと呼ぶこともあります。

そんなICUで働く看護師は、大きな達成感ややりがいを手にする機会がたくさんありますが、その反面、多くの悩みも抱えています。

1つ目は患者の死に立ち会う瞬間が多いという点です。
病院という職場上、どんなに手を尽くしても救えない患者が出てきます。その他の病棟と比べてICUは救急救命の最前線なので、そうした場面に立ち会う機会は通常の病棟よりも多いと言えるでしょう。亡くなった患者の遺族の心に寄り添うことも看護師の仕事に含まれるため、そうした場面が重なるうちに、自身の精神を病んでしまう看護師も多いようです。

2つ目は常に緊張感があるという点です。ICUは容態が急変しやすい患者の対応を行うことが多いため、職場内には常に緊張感があり、張り詰めた空気の中で仕事を行う必要があります。些細なミスも許されないという緊張感のなかで仕事を続けるのは、かなり精神力を消耗します。

3つ目は夜勤が多いという点です。ICUでは常に患者2人に対して看護師1人という体制がとられています。それは夜勤であっても変わりません。そのため、看護師の人数によっては、夜勤の回数がどうしても他よりも多くなってしまうという結果になってしまうのです。